« 姫辛夷(ヒメコブシ) | トップページ | 「言志録」 13 »

2008年3月23日 (日)

「言志録」 12

 自分を責めることのきびしい人は、人を責めることもきびしい。他人を思いやることの寛容な人は、自分を思いやることも寛容である。これらは皆厳なれば厳、寛なれば寛と、一方に偏していることは免れない。立派な人物である君子は、自ら責めること厳で、他人を責めること寛である。(30)

 佐藤一斎は、別のところで「春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら慎む」ということを言っている。そうありたいとは思うものの、現実にはなかなか難しいことだ。だからこそ、それができる人物は「君子」なのだ。小人はこれとはまったく逆に、自分に寛、他人に厳であることが多いようだ。

 「論語」の中で、子張が孔子に「仁とは?」と質問したのに対して、次の五つを天下に行うことだと答えた話がある。その五つは、「恭・寛・信・敏・恵」であり、「自分の態度が恭しければ他のものに侮りを受けることはない。寛大な人は多くの人々の心を捉えることができる。信義に満ちた偽りのない人には他の人は安心してすべてを任せる。敏速にことを処理すれば必ず成績が上がる。恵みが深ければ人々は快く命令に服して働いてくれる。」と言っている。 

 佐藤一斎は、当然「論語」は読んでいたろう。一斎の「言志四録」のうち「言志録」は、彼が42歳から11年間に書かれたものだそうだ。孔子の言葉にしろ、一斎の言葉にしろ様々な経験からにじみ出た「信念」なのだと思う。それにしても、この年齢でよくも達観できたものだと驚かざるを得ない。

« 姫辛夷(ヒメコブシ) | トップページ | 「言志録」 13 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/84461/11681192

この記事へのトラックバック一覧です: 「言志録」 12:

« 姫辛夷(ヒメコブシ) | トップページ | 「言志録」 13 »

2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

最近のトラックバック