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2008年1月30日 (水)

「言志録」 1

 現役だったときに、佐藤一斎の「言志四録」を読んだ。原文は漢文で、自分には読めないので、講談社学術文庫で注釈付きで読んだ。

 佐藤一斎は、1772年(安永元年)10月生まれ、1859年88歳で亡くなった。彼の語録は、「言志録」「言志後録」「言志晩録」「言志てつ録」にまとめられ、これを「言志四録」と言う。(「てつ」の文字を字書で呼び出せないので仮名にしてある。私の機器操作の未熟なためである。)

 かつてこの四冊を読んだときに、共感した条文をノートに筆記しておいた。今になってこの書き抜きを読み返しながら、雑感を書き付けてみようと思う。「言志録」は、佐藤一斎42歳から11年間の語録で、全246条ある。私の書き抜きは、書き下し分と口語訳文であるが、ここには、訳文だけを引用する。

 天然自然の道はゆるやかに運り動き、人間界の現象も緩やかに変化するものである。しかし、ここには成るべくして成る必至の勢いがあり、この勢いは避けようとして遠く離すこともできず、またこれを促して、速くしようとしてもできないものである。(4)

 「なせば成る」というけれど、これには時機、タイミングが大事だと言うことがわかるようになるのは、ある程度年がいってからだと思う。今になって思えば、あの時「待ってよかった」と思うことのほうが多いように思う。早く完成、解決のスガタを目の当たりに見たいがために、やたらと力を加えても、あまりよい結果にならない。

 歳を重ねて、自然や人事の周囲に「ウォッチ」する心のゆとりができると、「運行」という人間の力ではどうににもならない原理が働いていることを感じる。佐藤一斎がこの条を書いた40歳代には、私は、眼前の諸々のことを処理することに夢中であった。

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